義男:あ、ありがとうございます。いやぁ、私なんかよりも、よねさんの方が上手と言うか慣れてますよ。私はまだまだです。
六三郎:得手不得手の話しですかね?
いやぁ、私は昆布締めが苦手だったなぁ。
義男:こ、昆布(こぶ)締めですか!!
六三郎:えぇ。昆布です。寿司職人といえば“飯炊き3年握り8年”という言葉がありますが、私の修行は師匠がコロコロ変わって飯炊きが丸10年かかりましたから、歴代の師匠達の苦手な分野ってのも見て理解してましたから・・・。
自分の不得意な部分も色々見えてくるんですよ。
義男:そ、そうなんですか!
まぁ、そんな寿司職人も今じゃカルフォルニアロールとボートレース平和島に夢中になっている・・・。ふっ。
義男:そ、そうでしたか!私も平和島しかやらないです!とは言うもののたまにナイターもやってますごめんなさい!
六三郎:あっはっはっ。私は寿司とボートレースって似てると思うんですよ。
義男:あ、そ、そうでしたか。どの辺りが?ど、どの辺りがでしょうか?
六三郎:一番は鮮度と準備じゃないですかね?
義男:(一番が2つ!!)せ、鮮度!鮮度とは!?
六三郎:そりゃ今乗れてる選手、今動きの良いエンジンが鮮度じゃないですかねー。
寿司は当然ネタですかね。
義男:ほ、ほぉー。モ、モーターですよね?
六三郎:えぇ。準備はどの仕事もきっと共通ですよ。手前の準備は当たり前。イメージの一つ先を想像して足りない部分を準備しませんか?
義男:え、えぇ。ま、まぁ。
スリットより先も同じです。
それと身だしなみですよ。
髪型、割烹着、包丁、まな板、靴。
間違っても雨ざらしになった割烹着なんかはもう一度洗い直しです。
義男:分かります!!めっちゃ臭くなるやつです!人が近づかなくなるやつです!
それと接客ですよ。
お客様にとって心地よい空間を提供出来るかですよ。手際の良さと握る熟練の技術が必要です。
次は、清掃ですよ。
クリンリネスって言うのかな。やはり、僕らが思っている以上にお客様は敏感です。壁や床が汚れていては食事も台無しです。スタッフには徹底した清掃をしてもらってます。私も毎日、朝昼晩と清掃を意識してますから。
義男:クッ
次は・・・想いですかね。
毎日お寿司を握り、ハードな立ち仕事にも耐えなければなりません。食を通して、人を笑顔にしたい、喜ばせたい、という想いがないと、続けていくのは厳しい仕事かもしれません。
義男:ギョ、ギョェー、、、
次は・・・カルフォルニアロールです。
六三郎の仕事に対するこだわりをみっちり2時間も聞かされたオールインエスケープ義男だったのでした。
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