YouTube配信を見た翌日、いつものように平和島の初日に向かった。
目の前にヤ○ザが居た。
声を掛けるか正直迷った。
声を掛けさせて頂いた。「昨日、番組で平和島のモーターを聞いた者です。良かったら色々教えて貰えませんか?」
「あ、ほんとー?じゃあ一緒に見ようよ」
最初は完全に素人のフリをした。だって平和島の事は見てきてるけど「競艇」を知ってますか?って言ったら知らない訳じゃないけど「ほぼ知らない」って言っても過言じゃ無かったからだ。
とにかく上手い人に聞くのが上級者の道のりだと思って聞いた。
そして、ワシはこの方から阿波選手のような信念やプライドをハッキリと感じた。
三島先生のお話しをしっかり聞いた。
相手からすると何でも知ってますって顔をすると興味が無くなる事を肌感覚で知っているので素人のフリをした。
しっかり聞いた。平和島は差し水面だ。
見違えるように自分の舟券のアプローチが進化した。
やっぱりプロは違う。
話しは過去の戦歴へ。ワシは13号機が大好きだったと話しをした。
これが大盛り上がり。
よね「13号機が外から勝ってもレースが荒れたとかコメントする人に納得いかなかった」
涙ぐむようなその瞳で
「その気持ちは痛いぐらい分かりますよ。この業界はモーターの良し悪しも分からない奴が多すぎるんだよ」
ワシはネットの世界だけだと思ったら昔の新聞記者さんも花形は競馬だから競艇には力を入れてなかったらしい。
ある記者さんはボートレース場でずっと競馬中継を見ていたこともあったらしい。
ワシが平和島のモーター評価を書いてある大学ノートを中身は見せずにチラ見せした。
たぶん、こんなのが仲良くさせて頂く根底には価値観が少しだけ、ほんの少しだけ似ていたからだろう。
だって話が止まらなかった。毎回会っても話ししたい事が山積みだ。
55号機が開花した話しとか、56号機はエース機だと思うがまだまだ信じられない話しだとか。
その年、その時動いてたモーターの話しをするのが楽しかった。
ところで舟券買わないの?
その日、先生の前で①からは買わないようにしていたワシが、三島先生の前でカッコつけたくて1-3の2単を1000円買って的中させてしまった。
三連単よりもお得な二連単に気づいて買ってしまった。
振り替えれば、こーゆーのが素人っぽいんだよね(笑)
それは、野暮なんだよね~。
相手は覚えて無いだろうが、この時、ワシは本当の素人だと思われた瞬間だった。
第8章完 Next いつかまた!